救助
Ranger & rescue

国際消防救助隊の紹介

 昭和60年、メキシコ、コロンビア等で大規模災害が相次いで発生し、多くの尊い命が失
われた。

 同年11月に発生したコロンビア、ネバドデルルイス火山噴火災害では、日本からも消防
救助隊を派遣しようと準備が進められたが、コロンビア政府の意向により中止となり、実
現はしなかった。

 この経緯を踏まえ、自治省(現総務省)消防庁において、海外で大災害が発生した場
合、世界のトップレベルの救助技術を持つ日本の消防救助部隊を、迅速に派遣できるよう
検討を行い、多くの消防本部の参加協力のもと、昭和61年4月に全国消防長会の協力の
もとに、国際消防救助隊(IRT−JF)が発足した。

 その後昭和62年9月に「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」が公布施行され、以後
は国際緊急援助隊の一部として活動している。





隊の名称・シンボルマーク


 国際消防救助隊が現実に海外へ派遣されることとなると、隊の名称、とりわけその適切な英訳名が必要であり、また現地での存在を明らかにするための隊旗や隊員のアイデンティティを保持するためのシンボル・マークが必要となる。
 隊の日本語名はおのずから、「国際消防救助隊」となったが、その英訳名はさまざまな表現があり得る。
 消防庁職員に提案を呼びかけたところ、多数の応募があり、選考の結果、「International Rescue Team of Japanese Fire Service、略称IRT−JF」が選ばれた。
 これに「愛ある手」と附記されていたのだが、この表現には、「消防救助隊が地球の果てまで出かけて行き、愛の手をさしのべる」という思いがにじみ出ている。




International Rescue Team of Japan Fire-Service




IRT

「愛ある手」

 シンボルマークのデザインは、人を助ける「愛ある手」と、国際的な活動の意味で「地球」を表現し、その上にIRT−JFの文字を立体的に浮きあがらせたデザインとなった。
 また、連隊旗は刺繍により、各本部の隊旗は染め抜きで、それぞれ消防章をレイアウトしたものが使用されている。




国際消防救助隊員のシンボルマーク
 世界を象徴する「地球」と、消防の国際協力を意味する「固く握り合った二つの手」(片方は“愛ある手”)とを組み合わせ、その上に国際消防救助隊の英語名InternationalRescue Team of Japan Fire Serviceの頭文字をとったIRT・JFを配し、同隊の国際的使命を巧みに表現している。ワッペンのカラーは、地を人命の尊さとその安全を表わすグリーンで統一し、文字には我国の消防救助隊のシンボルカラーともいえるオレンジを使っている。
 デザインはデザイン・グラフィックデザイナーの井上清美女史(国際消防救助隊発足時の自治省消防庁次長・井上孝男氏の妻)。


ワッペン


連隊旗
 
隊旗




登録本部と登録隊員数

 参加する消防本部の範囲については、各本部の自主的な判断によるところとなったが、全国32本部から参加の申出があり、これらの消防本部から385名の隊員の登録の届け出があった。


登録消防本部名 隊員数
札幌市消防局 11
八戸地域広域市町村圏事務組合消防本部 8
仙台市消防局 11
秋田市消防本部 8
郡山地方広域消防組合消防本部 8
茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部 8
宇都宮市消防本部 8
高崎市等広域消防局 8
川口市消防本部 8
さいたま市消防本部 11
川越地区消防組合消防本部 8
朝霞地区一部事務組合埼玉県南西部消防本部 8
千葉市消防局 11
市川市消防局 8
船橋市消防局 8
松戸市消防局 8
市原市消防局 8
佐倉市八街市酒々井町消防組合消防本部 8
柏市消防本部 8
東京消防庁 35
川崎市消防局 11
横浜市消防局 20
相模原市消防本部 8
横須賀市消防局 8
藤沢市消防本部 8
新潟市消防局 8
上越地域消防事務組合消防本部 8
金沢市消防本部 8
長野市消防局 8
松本広域消防局 8
岐阜市消防本部 8
静岡市消防本部 8
浜松市消防本部 8
名古屋市消防局 11
京都市消防局 11
大阪市消防局 30
東大阪市消防局 8
吹田市消防本部 8
堺市高石市消防組合消防本部 8
枚方寝屋川消防組合消防本部 8
豊中市消防本部 8
守口市門真市消防組合消防本部 8
神戸市消防局 11
西宮市消防局 8
尼崎市消防局 8
姫路市消防局 8
奈良市消防局 8
和歌山市消防局 8
岡山市消防局 8
倉敷市消防局 8
広島市消防局 20
福山地区消防組合消防局 8
下関地区広域行政事務組合消防本部 8
徳島市消防局 8
高松市消防局 8
松山市消防局 8
北九州市消防局 11
福岡市消防局 11
長崎市消防局 8
佐世保市消防局 8
熊本市消防局 8
鹿児島市消防局 8
平成13年5月1日現在 62消防本部 隊員 599名



過去の国際緊急援助活動実績

期間 昭和61年8月27日〜昭和61年9月6日
災害名 ニオス湖有毒ガス噴出災害
被災地 カメルーン共和国ニオス湖周辺
被害状況 死者1,700人以上
活動実績
活動概要等
国際消防救助隊員1人(東京消防庁)有毒ガスの再噴出に備え、調査団に対する呼吸保護具の指導



期間 昭和61年10月11日〜昭和61年10月20日
災害名 エル・サルヴァドル地震
被災地 エル・サルヴァドル共和国サン・サルヴァドル市
被害状況 死者1,226人、倒壊家屋3万戸
活動実績
活動概要等
国際消防救助隊員9人(東京消防庁5人、横浜市消防局3人、消防庁1人)倒壊ビルからの救助



期間 平成2年6月22日〜平成2年7月2日
災害名 イラン地震
被災地 イラン・イスラム共和国カスピ海沿岸
被害状況 死者8万人以上
活動実績
活動概要等
国際消防救助隊員6人(東京消防庁5人、消防庁1人)倒壊家屋からの救助



期間 平成2年7月18日〜平成2年7月26日
災害名 フィリピン地震
被災地 フィリピン共和国ルソン島北部
被害状況 死者1,600人以上
活動実績
活動概要等
国際消防救助隊員11人(東京消防庁2人、名古屋市消防局4人、広島市消防局4人、消防庁1人)倒壊ビルからの救助



期間 平成3年5月15日〜平成3年6月6日
災害名 バングラデシュサイクロン災害
被災地 バングラデシュ人民共和国
被害状況 死者約13万人
活動実績
活動概要等
国際消防救助隊員38人(東京消防庁17人、大阪市消防局11人、川崎市消防局4人、神戸市消防局4人、消防庁2人)及びヘリコプター2機を派遣し、被災民への救援物資の輸送等を実施



期間 平成5年12月13日〜平成5年12月20日
災害名 マレイシアビル倒壊被害
被災地 マレイシアクアラ・ルンプール郊外ウルクラン地区
被害状況 死者48人 倒壊ビル1棟
活動実績
活動概要等
国際消防救助隊員11人(東京消防庁6人、名古屋市消防局2人、北九州市消防局2人、消防庁1人)倒壊ビルからの救助



期間 平成8年10月30日〜平成8年11月6日
災害名 エジプトビル崩壊被害
被災地 エジプト・アラブ共和国カイロ郊外ヘリオポリス
被害状況 死者64人 崩壊ビル1棟
活動実績
活動概要等
国際消防救助隊員9人(東京消防庁3人、札幌市消防局2人、大阪市消防局2人、松戸市消防局1人、消防庁1人)を派遣し、崩壊ビルからの救助



期間 平成9年10月22日〜平成9年11月11日
災害名 インドネシア森林火災
被災地 インドネシア共和国ランプン州
被害状況 焼失面積1万8,000ha(ランプン州内)
活動実績
活動概要等
国際消防救助隊員30人(東京消防庁19人、名古屋市消防局5人、大阪市消防局3人、横浜市消防局2人、消防庁1人)及びヘリコプター2機を派遣し、火災地点の上空からの情報収集、消火活動の助言、指導を実施



期間 平成11年1月26日〜平成11年2月4日
災害名 コロンビア地震
被災地 コロンビア共和国(アルメニア市周辺)
被害状況 死者約1,171人 負傷者約4,765人
活動実績
活動概要等
国際消防救助隊員15人(東京消防庁8人、大阪市消防局2人、千葉市消防局2人、船橋市消防局2人、消防庁1人)を派遣し、倒壊ビルからの救助



期間 平成11年8月17日〜平成11年8月24日
災害名 トルコ地震
被災地 トルコ共和国(ヤロヴァ地区周辺)
被害状況 死者約1万7,127人 負傷者4万3,953人
活動実績
活動概要等
国際消防救助隊員25人(東京消防庁12人、川崎市消防局4人、神戸市消防局4人、市川市消防局2人、尼崎市消防局2人、消防庁1人)を派遣し、倒壊ビルからの救助



期間 平成11年9月21日〜平成11年9月28日
災害名 台湾地震
被災地 台湾中部
被害状況 死者約2,333人 負傷者1万2人 行方不明者39人
活動実績
活動概要等
国際消防救助隊員46人(東京消防庁18人、仙台市消防局4人、千葉市消防局3人、京都市消防局4人及び川口市、松戸市、新潟市、岡山市、倉敷市、佐世保市、鹿児島市消防局から各2人、消防庁3人)を派遣し、倒壊建物からの救助